小さな庭ですが、四季を通じて花を楽しもうと植栽してきました。ところが、ある日突然『できれば一年中果物の収穫できる庭にしたい!』と思い始めました。もちろん狭い庭ですから、ベランダでの容器栽培も含めての計画です。
そこで、庭のコーナーで主役的な存在であったツバキにも移動してもらうことになりました。
このツバキは「五色椿」と呼ばれるように、紅・白・絞りなど、変化に富んだ花を咲かせてくれるので、大事にしたいのです。
しかし、移植する場所をまだ決めておりません。そこでとりあえず、鉢上げすることにしました。
こうした時には鉢栽培はありがたいものです。移植先の見つからない状態でも株を確保できますし、見つかった場合には、四季を通じて植付けができます。
ツバキは常緑樹であり、生育の緩やかな性質で、移植など大きな生育環境の変化では、高い枯死の危険が伴います。
しかし、幸い気温が上昇し開花も終わりに近づき、新しい芽が伸び出す時季でもありますので、枝葉を制限して根の負担を軽くしてやれば、何とか活着してくれることでしょう。
<さあ、やってみよー!>
~挿木~
まずは、移植に先立って枝葉の間引きをするのですが、「株の枯死」ということを考えると、挿木をして新しい株を用意しておきたいと思います。
1)挿し穂選び
単色の品種と違い、この株のように紅・白・絞りなど咲き分けるものでは、挿し穂を選ぶ必要があります。もっとも確実とされるのは、絞りの花を咲かせている枝を選ぶことです。紅・白など単色の花を咲かせている枝を用いると、絞りなど変化のある花が咲く確率が低くなるからです。
2)挿し穂の用意
摘み取った枝は枝先の葉を3~4枚ほど残して、葉の上部を切り落とします。葉からの蒸散作用を抑えるためです。
用意した挿し穂は、メネデールなど活力剤を加えた水に30分くらい沈めて吸水させます。あまり長くなると葉が傷むことがあり、特に気温が高くなるほど危険が高まりますので注意してください。
3)挿木する
鉢底に赤玉土の中粒、上部に赤玉土の小粒を用意し、挿木します。
挿木の際は、写真のようにピンセットで枝を側面から挟みこむようにし、先の細胞を壊さないようにします。
~鉢上げ~
まずは、移植に先立って、枝葉の間引きをしておきましょう。養水分吸収の主役である大切な細根の大半を失うのですから、その負担を軽くするには、枝葉の量を少なくするしかありません。それに作業の際に、枝葉が邪魔になると、枝葉を傷めることになります。
1)枝の整理
基本的に上部の枝を切り詰め、下部の枝葉をできるだけ活かして剪定します。そのために円錐形の樹形になりました。上部の枝葉には厳しい状態ですが、樹液の流れは上部の枝葉を優先するので、活着してからきっと勢いを回復してくれることでしょう。
2)枝を束ねて、寒冷紗で包む
続いて、枝葉を束ね、作業にできるだけ支障のないようにしておきます。
さらに地上部を寒冷紗で包んでおくことで乾燥防止や枝葉の保護をしておきます。
3)株の掘上げ
根を長めに残して掘り上げます。特に細い根(新根)を大切にし、乾燥させないようにしましょう。
根土の周囲を落として根を切り戻し、太い根の切り口にはトップジンMなどの癒合剤を塗っておきます。
4)鉢上げ
鉢栽培では、用土の統一を計ることが大切なのですが、一時的な栽培ですし、萎れるのが心配なので、根土の大半を残し、鉢上げしました。
植付けた後は、挿し穂の吸水に使った活力剤入りの水をたっぷり与えて、用土を落ち着かせ、根に密着させてやります。特に乾燥しやすい環境の場合には、寒冷紗などで直射日光と風を防ぎましょう。また所定の位置に鉢を置いたら、株全体にじょうろなどで灌水をしておくのも株の脱水防止の一法です。
鉢上げの際には根を切る分、地上部で養う枝葉も減らすことが大切なんですね。
ミニチョキ
刃が大きく開き、太い枝も楽に切れます。ハ―ドクロ―ム仕上げ。
お花屋さんにも愛用いただいている商品です。
グリップカラーは全部で5種類(ホワイト、イエロー、ピンク、グリーン、バイオレット)。こちらはホワイトです。
ミニチョキデラックス ホワイト 130DX
S型シリーズ
専門家のニ―ズに即した鍛造・プロ仕様の高級剪定鋏。ハ―ドクロ―ム仕上を施してサビ・ヤニがつくのを抑え、二段刃付けの採用により節弾力の向上を図りました。
120S-7 剪定鋏S型7インチ
高級剪定鋏 Vシリーズ
刃の開きが大きいから剪定がスム―ズにできます。
滑りがよく木のヤニがつきにくいハードクロームメッキを採用。磨耗やサビに強い、優れた耐久性を誇ります。また、グリップの開き角度が小さくても刃が大きく開くので、太い枝でも楽々カットします。