家庭の小さな庭で、粒の大きなブドウ「藤稔」の栽培に挑戦しています。
果樹園と異なり、土壌の状態もあまり良くないので、
新梢の生長はそれほど期待できませんが、勢いよく徒長されても困る狭い庭ではかえって好都合です。
樹形は冬に2本の主枝を、一つは上に伸ばしてパーゴラ用とし、
もう一つは水平に伸ばして垣根風に仕立てることにしました。
写真は6月3日の状態ですが、ほぼ予定通りに新梢が伸び出しています。
植付け2年目ですが、今年は大きな蕾を着けてくれ、収穫時の夢が広がります。
肝心の蕾の状態ですが、勢いの良し悪しに関わらず、
新梢の3~4葉の節辺りから蕾が発生しており、
5月の下旬から開花が始まっています。
開花の様子をよく見ますと、写真のように房の先端部は遅く、
花房の中央部辺りは早いようです。さらに綿密に観察すると、
受精が終わり果実として肥大しているものもあります。
これだけ生育の差があると、収穫時の果実の成熟度にかなりの違いが生じることが考えられます。
果樹園芸の本を見ますと『花房の先端や副房は除去する』と記されています。
果実の熟期をそろえることを思うと、いっせいに開花した状態の花(果実)を残すというのは納得できます。
また、出荷の難易や商品としての「見栄え」、
あるいは手にしたときの「手応え」など、専門家ならではの配慮もあるのでしょう。
そうした点から、開花のそろっている部分を残して、
果実(粒)を30~50粒くらい収穫できるようにする、というのが一つの目安のようです。
ここは一つ果樹園芸の本に従って、副房と、花房の先端部を除去することにしましょう。
もっとも遊びとして、副房を残しておき、結果をみるつもりですが…。
この辺りが、家庭園芸ならではの楽しみ(スリル)かもしれません。
言ってしまえば、家庭の場合は房の形はどうでもいいし、
房ごと収穫しないで熟した果実(粒)から賞味することだって考えられるのですから。
熟する時季が多少ずれても、かえって収穫期が長くなって、こちらとしては好都合というわけです。
商品生産ではないので、果実の形や大きさなどにはあまり神経質になる必要はありませんが、
粒が混み合うと正常に育ってくれず未熟なままになったり、
場合によっては潰れて腐敗することもあります。
そうしたことを防ぐためには、間引きが必要です。
間引きは大きなものを残して、貧弱なものを間引くことでいいわけです。
粒が小さいときには指先でも摘めますが、大きくなると残したい粒を傷めることがあるので、専門家は専用の鋏を用います。
また、大量に間引きをしなければならないときには、写真のように鋏をタテに入れることも行われます。
いずれにしても、ブドウは受精してからの生長が速いので、摘果は早めに済ませておきましょう。
<さあ、やってみよー!>
1)副房を除去する
2)花房の先端を除去する
3)鋏をタテに入れて間引きする
4)完成!
蕾を見ていると収穫時の夢がふくらみます。
適度な間引きがポイントなんですね。
✂ ブドウの摘蕾と摘果に適した刃物 !
ぶどう鋏
農業の方や果樹園など、プロの方々にもご愛用いただいている鋏です。
手がつかれにくく、握りやすいソフトグリップ。
シャープな刃先は、ぶどうや果実の採果作業に抜群の操作性を発揮します。
~おまけ~
摘果が終われば、病害虫防除や果実の彩りを良くするために袋がけをするのですが、
もしも近くにブドウが植わっていなかったり、
予防薬の散布ができる場合には無袋栽培を一部の房で試みると、
一味違った果実を楽しむことができるでしょう。
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