果物店では、高級みかん「デコポン」として並んでいますが、これは高品質の果実の商標名で、樹に対しては「不知火(しらぬい)」というのが正式な名称だそうです。

「清見」と「ポンカン」の交配によって誕生したのですが、「ポンカン」は熱帯～亜熱帯に原産するのだそうで、わが国では特に暖かい地方でないと育てにくいとされています。

ところが、北摂のわが家の庭で、気がつくと「不知火」が10年近く元気に育っています。もちろん、冬には寒冷紗で防寒をしていますが、最近では毎年収穫しています。「デコポン」に比べると果実は貧弱ですが、結構美味で満足しています。

　
わが家での生育状態ですが、「甘夏」と比べると樹勢は弱くて、しかも枝は横に広がる性質を持っているようです。特に、今年はよく結実しているのですが、春から摘果や枝の間引き・誘引などを怠っていますので、結果した枝が枝垂れるなど樹形が乱れています。

まだ若い木なので目先の誘惑(収穫)に負けず、樹形作り、すなわち主枝・亜主枝の育成を考えたいのですが、そのことには目をつぶって、今年は摘果を控えて、収穫優先にします。このことは、樹形の仕上がり遅れ(生育不良)につながりますが、果樹園と違い家庭の場合には、あまり木が大きくなられても困るので、生育(繁茂)不良はかえって好都合な面もあります。

＜さあ、やってみよー！＞

1)摘果

摘果は7月までに行っておかなければならなかったのですが、遅ればせながら貧弱な果実や枝の負担の大きいようなものを摘むことにします。

2)枝吊り

　
樹形は変則主幹形が適しているそうで、複数の主枝を斜め(45度を目安)に誘引します。(特に勢いをつけたい枝は30度。)
写真左：枝吊り前。枝先の結果によって枝垂れています。
写真右：枝吊り後。枝先がぐっと上に上がりました！支柱を立て、そこに誘引しています。

3)施肥＆敷きワラ(新聞紙)

「不知火」の根は、7～9月にかけてさかんに発生しますが、乾燥すると枯死しやすいので、敷きワラをして保護します。今回は、どこのご家庭でもご用意できる“新聞紙”を敷きワラの変わりに利用しました。また、肥料も施しておきました。

管理のポイント

管理のポイント 1
特定の主枝を大きく伸ばさず、できるだけ懐枝に日光を当てて充実させ、結果枝として養成します。

管理のポイント 2

結果している枝は、しっかりしていて結果していない枝(来年の結果枝：写真)の半分以下、とすると翌年も収穫が楽しめます。

管理のポイント 3
柑橘類は強い直射日光が幹や枝に当たると傷むので、あまり強い間引きや剪定は危険です。ひどく混み合っている部分の間引きくらいにしておきます。

みかんにも個性があるんですね。甘いデコポンは私も大好きです！摘果作業に適した鋏を紹介します。

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