「アルプス乙女」という、小型の実をつけるリンゴの鉢栽培をしています。交配親は、おなじみの「ふじ」と「紅玉」という大型の実をつける品種だそうです。もちろん食用目的ですが、たくさん結実し美しいので、観賞用としても素敵な果樹です。それにリンゴの多くの品種は一株では結実しないことが多く、授粉樹が必要なのですが、「アルプス乙女」は花粉が多いので、重宝な存在です。
非常に丈夫で育てやすいので、つい手入れに油断があるのですが、6月ごろから果実を鳥につつかれ、ひどいものは落果する始末です。(果実中央の黒い点が鳥につつかれた跡です。)
そこで、写真のようにネットを株全体に被せたところ被害は止まりました。
8月の中旬になると果実が色づきはじめ、収穫のときを想像して楽しんでいたのですが、下旬(2009年8月22日)のある朝、突然二つの果実が落ちているのです。もちろん、まだ成熟して落ちたはずはないので、よく見てみると、果実の一方が少し凹んでいて軟らかく、全体としては褐色がかっているのですが、中心部から同心円状に白っぽい輪が広がっているのです。
どうやら、『輪紋病』の被害を受けたようです。これまであまりこの病気の被害を受けなかったので、殺菌剤の散布はしていませんでした。しかし、これからは病原菌が辺りに飛散していることは間違いないので、早速「オーソサイド」などの殺菌剤を散布して、新しい被害を防ぐことにします。それと、来年は防除の適期とされる6~8月にかけて、殺菌剤を散布するつもりです。と、思っているのですが、最近は便利なスプレー式の殺菌殺虫剤が園芸店で入手できるので、それを使ってしまうかもしれません。
環境の変化なのでしょうか、家庭での果樹栽培で、かつては特別な手入れをしなくても収穫できていたものが、最近では鳥獣対策が必要になりました。鳥獣の自然の餌が乏しくなっているのかもしれません。特に果実が成熟したときの防鳥対策は不可欠になりつつあります。
果実の色が目印になるのか、それとも美味しそうな香りが目印になるのか…、完熟したものを収穫しようとすると、一足先に鳥に食べられ悔しい思いをすることがしばしばです。しかし、鳥が食べにくるのは、果実が熟していることの証拠なので、鳥に食べられる前(早朝など)に収穫するとか、防鳥ネットを掛けたり、金網を張ったり、果実の美しさ(色)は多少失われますが、紙袋を掛けることにしています。
紙袋は病害虫防除の効果が大きく、特にこれから収穫期にかけては、最近被害の増加しているカメムシの防除にも役立ちます。
今回は株全体に金網を張ることにしました。
<さあ、やってみよー!>
1)枝の広がりを内側に抑えるようひもで縛り、周りに支柱を立てる
2)支柱に沿って、金網を張る
小さなリンゴがかわいい素敵な鉢です。しかし、その裏側では日夜、鳥との知恵比べが行われているのですね。
ワイヤーカット鋏
フラワ―アレンジメント用ワイヤ―(なまし針金)をラクラクカットします。
316 ワイヤーカット鋏
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