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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

デコポンの冬越し

デコポンの冬越し
美味しさにひかれて植えてしまったのですが、暖地育ちのデコポン(不知火)にすれば、北摂の地での冬の寒さは大変なことでしょう。それに樹体維持だけでなく、果実まで背負っており、その果実が成熟期、それも仕上げの時季にあるのですから、この時季の手入れとして防寒は何よりの作業となります。


デコポンの冬越し
関西地方の住宅地を歩きますと、冬でも大きな実をつけたダイダイや夏ミカンが目につき、季節のアクセントの趣があります。しかし柑橘類は寒さに弱いものですから、一見、元気そうに見えても、凍傷寸前でやっと越冬している、と理解しておきたいものです。葉や実に凍傷の症状はみられなくても、木自体は冷え込んでおり、春からの生育に悪影響を及ぼします。
さて、防寒では、霜除けと防風の二つが大きなポイントです。
まず、霜除けです。北風の強くない場所では、樹上に寒冷紗を掛けておくだけでも随分効果があります。農村地帯では、ワラ束の上部を縛り、株を広げて、ちょうど傘を広げたように木の上を覆っているのを見かけることがあります。このときに注意したいのは、冬の間も同化・呼吸・蒸散作用が行われているということです。完全に密封して、枝葉に光や空気が触れないようにしてはいけません。
次は、防風です。霜が降りない(当たらない)場合はこれで防寒対策終了でしょう。風除けは北・西の方向を重点的に行います。
さて、今回のデコポンの防寒ですが、略式ミニ・ビニールハウスを作ることにしました。寒害さえなければ、1~2月に収穫すると美味しいものですから、少しでも果実を樹上に置いておくために、木の防寒だけでなく、葉や果実にも日光をたっぷり確保してやりたいのです。

<さあ、やってみよー!>

1)前回、袋掛けしておいた実を収穫する。
デコポンの冬越し
株全体をコンパクトにまとめる準備として、前回、袋掛けしておいた実は収穫しました。
2)枝を紐でしばりあげて、コンパクトにする。
デコポンの冬越し
株が大きいので、大きく2つに分けてしばりました。
3)支柱を立てる。
デコポンの冬越し
天井部分には積水アーチパイプを使用しました。
アーチパイプ2本に支柱4本を差し込んで、株を囲うように設置します。
4)ネットをかぶせる。
デコポンの冬越し
雪が降り積もったときに、この後にかぶせるビニールが破れないようにするためです。
5)ビニールをかぶせる。
デコポンの冬越し
同化・呼吸・蒸散作用のために、南側は開けておきます。
6)足元のビニールに土をのせて、押さえる。
デコポンの冬越し
7)略式ミニ・ビニールハウスの完成!
デコポンの冬越し
デコポンの冬越し
防寒という意識での作業ですが、あまり急激に温かくするのは危険です。望ましい気温は20℃とし、なんとか15℃以下にならないようにしてやることを念頭に行います。15℃以下になると、根の活動が目立って鈍くなるからです。そこで、株全体を包まないで、南側を開けておくことにしました。これだと寒風と霜から防げますし、日中に高温になり蒸れることはありません。
なお、収穫は普通年内ですが、暖かい場合には一日でも長く樹上に置いておきましょう。


『デコポンの冬越し』に適した刃物


見事なミニ・ビニールハウスが出来上がりました!中はポカポカ温かそうです(^^)
色づいた甘~いデコポンの収穫には、刃先が曲がった採収鋏・採果鋏がオススメです。

採収鋏

丸い刃先は、デリケ―トな果物に傷がつきにくい設計です。また、刃先が短いので細かな作業を難無くこなします
410 採収鋏大曲
410 採収鋏大曲

採果鋏デラックス

デリケ―トな果物を傷めることなく確実に採収できるよう、より専門的に機能を高めた商品です。本格果樹園から家庭菜園まで、幅広いニ―ズにお答えします。
310DX 採果鋏デラックス
310DX 採果鋏デラックス

採果鋏不知火用

曲刃で果実の枝の根元をキズつけずスムーズにカットします。「不知火(デコポン)」の収穫にぴったりの不知火用採果鋏です。
310-D-R 採果鋏不知火用
310-D-R 採果鋏不知火用


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