庭の斜面に「王林」というリンゴを植え付けておきましたら、写真のように茂ってきました。植えたときは、常識的に枝を四方に茂らせるつもりだったのですが、新しく設けた通路を枝が遮り、通行に支障が生じてしまいました。そこで、残念ながら樹形の変更をすることにしました。
樹形は「一文字仕立て」です。主枝を通路に沿って二本左右に広げ、それから結果枝を出させるというものです。斜面ですから複雑な樹形だと手入れが大変ですし、できれば主枝が通路の手すりになってくれることも想定して…。
<さあ、やってみよー!>
1)主枝を決める
今回は、幹の120cmあたりから主枝を広げることにしました。
家庭での栽培では、できるだけコンパクトにしたいので、通常ならもっと低い位置にしたいところですが、困ったことにわが家の周辺には、アライグマが野生化しており、今年もブドウが被害を受けました。そこで、果実をアライグマが簡単に取れない高さにつけるようにしたのです。もちろん、収穫期の前に金網などで保護しますが、その際にも「一文字仕立て」だと作業が簡単です。
2)支柱を立てる
広げる主枝の高さ、長さに合わせて支柱を立てます。
3)主枝を広げる(枝の向きは水平か下垂)
リンゴは勢いよく伸び上がる枝には、結果枝がつきにくいものです。そこで、水平にすることが考えられます。左側の主枝は、ほぼ水平になるよう誘引しました。
、 右側の主枝は、写真のように下方へ曲げておきました。今回は主枝の位置が高いですし、来年の生長の様子(木の勢い)がよく分からないということもあります。こうしておくことで、主枝の途中からたくさんの短い枝が発生し、結果枝となりやすいのです。
4)剪定する
残りの枝は予備の枝として、3割くらいを間引きます。強く切り込むと、来年徒長してしまうので控えめにしておきます。剪定の仕上げは開花を確認してから行うと、自信がない場合でも安心です。
5)完成!
余計な枝もすっきり片付き、通路の遮りもなくなりました。
参考までですが、写真は昨年鉢植えしておいた「ふじ」という品種です。曲げた枝と、ななめ上に伸ばした枝があります。
曲げた枝の基部にはしっかりした新枝が発生しており、主枝の先端に向かうほど短い枝になっています。一方、伸ばした枝の新枝には、まだ葉が残っています。夏の終わりから秋になっても伸びているような枝には花芽はつきにくく、早く伸びが停止した短い枝の先端に花芽はつきやすいものです。
そうしたことから、今回の「リンゴの一文字仕立て」では、基部からの元気で花芽をつけていない枝を来年からの主枝候補とし、短い枝の結果を楽しむことにしました。一見、ずぼらなようですが、木の生育状態をしっかり把握していないと、主枝の切り戻しの位置は決めにくいものです。しかし、この方法だと新枝の発生を見ながら樹形を整えられますし、結果枝の発生を促すことにもなります。
なお、将来樹形を変更し、今回広げた主枝の上にさらに主枝を出させる場合には、今回の主枝から60cm以上離してやりたいものです。というのも、樹液は上部の枝に流れやすく、さらに光線不足から下部の主枝は衰弱枯死を起こしやすいためです。
急な斜面に植えられていますので、手すりとしても役立つような立派な木に生長してほしいものです。もちろん、収穫の日も楽しみでなりません。
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