小さな庭でブドウ栽培(品種:藤稔)を始めたのですが、昨年は失敗でした。病害虫の被害はなかったのですが、袋掛けをしていた果房を収穫してみると、多くの果実が割れていたのです。いわゆる「裂果」です。
巨峰をはじめ大粒の品種(四倍体)にはよくみられる現象らしいのですが、残念でした。捨てるには惜しくてワイン材料にしたところ、少し雑菌の発生はあったものの、無事ワインにはなってくれました。
それはそれとして、これからの話ですが、根本的には「裂果」しにくい品種と入れ替えることが考えられます。幸い「マスカット・ベリーA」の鉢植え苗があるので、これと入れ替えることがまず浮かびました。この品種はわが国で育種されましたから、わが国の環境に適応しており、土壌条件にあまり影響されず、耐病性もあることで広く栽培されています。
しかし、それでは口惜しいので、もう一度「藤稔」の栽培に挑戦することも考えています。そのためには、土作り・剪定・施肥など、生育状況をみながらの環境作りが大切で、特に水の管理がポイントになります。
昨年は樹の近くに鉢植えを並べてあって、毎日灌水をしていたので土壌の過湿状態を作っていたと思います。今年は鉢植えを移動して灌水の水が根に届かないようにし、長雨の時にはビニールを敷いて、土壌の過湿を防ぐ。また果実については、雨水が当たらないようにし、通気を図るために果房に「傘掛け」をしてやります。「袋掛け」も雨避けになりますが、密閉状態になり果房が蒸れる危険があるからです。
さて、季節の手入れとしては剪定です。
<さあ、やってみよー!>
~作業前~
勢いの強い品種ですが、基本的にはコンパクトに仕立てたいので、「短梢仕立て」とします。新梢は20葉を目安とし、新梢の勢いによって1~2果房をつけることにします。
1)まずは、弱った枝を外します。
弱った枝は手で曲げたときに、パキッと簡単に折れてしまいます。そういう枝は、根元から切り取ります。
2)剪定
『新梢は20葉を目安とし、新梢の勢いによって1~2果房をつける』とすると、残す芽は写真のように昨年の枝の基部から2~3芽を残しての切除です。多くの果樹の剪定では、残したい芽の上で切るのですが、ブドウの場合は節の途中で切るとそこから枯れ込みを起こすので、一つ上の芽(節)で剪定をしておきます。
これで単純に考えますと、昨年より2~3倍の新梢ができるのですが、生育状況を見ながら、余分な新芽を掻きとって1~2のしっかりした新梢を育てる予定です。(矢印は芽の位置)
~作業後~
ほんとにこれでいいの?と思うくらい、短くすっきり剪定できました。ちなみに、剪定した枝は挿木や接木の穂木として使用することもできます。
~オマケ~
剪定は生育調整だけでなく、健康診断をする絶好の機会でもあります。写真のように、大敵である「ブドウスカシバ」の被害のチェックは特に大切です。余談ですが、この憎たらしい害虫を釣りの得意な友人は『頂戴!』と言うのです。餌として、とても魅力的なのだとか…。「蓼喰う虫も好き好き」とやら、この世に無用なものはないのかも知れません。
枝が驚くほど短くなりました!が、また夏になれば元気いっぱいつるを伸ばしてくれることでしょう。剪定にオススメの鋏と鋸を紹介します。
V型シリーズ
アルミダイキャスト製グリップや握り込むだけで解除できるワンタッチストッパー等、使いやすさを追求した逸品です。
刃が大きく開きますので回し切りも楽にできます。
一回り小さな「ブイセブン」(V-7)は女性にも扱いやすいサイズで、無理なく剪定作業にご使用いただけます。
高級剪定鋏ブイセブン V-7
高級剪定鋏ブイエイト V-8
高級剪定鋏ブイナイン V-9Z
大工用鋸ニュー豪傑
研磨スキ加工で、切粉の排出がスムーズになりました。
X-21 大工用鋸ニュー豪傑21
X-24 大工用鋸ニュー豪傑24
土木園芸のこぎりピーメタル
プロの現場に貢献する鋸の追求・開発により、軽く、さびに強い、耐久性抜群のメタルボディを実現しました。
生木もザクザクカットする、剪定作業に最適な荒目タイプ。作業領域がより広がります。
PM-21L 土木園芸のこぎりピーメタル荒目
PM-24L 土木園芸のこぎりピーメタル荒目
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