落葉果樹に比べ、柑橘類は温暖な場所を好みますが、「不知火」(デコポン)はその傾向が強く、殊に新芽の伸び出す(樹液の流れ始めた)早春の低温は非常に危険で、遅れ霜などに注意が必要です。
北摂のわが家は関西でも冷涼な土地ですが、この冬は雪や凍結が少なく、例年よりも新芽の伸び出しが早いようなので、防寒のために被ったビニールは取り外さないでいます。
また、デコポンは温州みかんなどと比べると、地上部(枝葉・果実)よりも地下部 (根)の生育が悪い傾向があるそうです。どうやら養分の奪い合いで、枝葉や果実の方が勝るらしいのです。それに、新芽の発生も盛んで、放任しておくと木の全体的な養分の浪費・衰弱を引き起こします。
特に、この木の場合、昨年に実を多く付け過ぎたので、根だけでなく全体に衰弱していることでしょうから、今年はまず新芽の掻き取りをしてやり、新梢の養分の奪い合い、さらには共倒れを防いでやります。また、開花の10日くらい前に蕾を摘み取って養分のロスを防ぐことにします。
次に根の管理ですが、デコポンの根は地面深く伸びるという特性があります。その根の生長は、土壌中の空気の多少に大きく影響されます。ある調査によりますと、順調な生育をしている場合の土壌中の空気の量(気相率)は40%を越えていたと報告されています。土壌の性質からみますと、粘土質の土壌よりも花崗岩 (かこうがん)土壌のように排水の良い土壌のほうが適しているそうです。
もちろん、深耕、有機物を施す、排水などの土壌改良によって根に快適な環境を作り出すことができます。この時季は、春肥を与える適期です。深耕を兼ねて、穴を掘り施肥をしておきましょう。
<さあ、やってみよー!>
1)穴を掘る
30cm深さの穴を掘ります。穴は対角線上に2箇所掘ります。
2)肥料(鶏ふん・米ぬか)を入れる
鶏ふん・米ぬかをそれぞれ2リットルほど入れます。
3)肥料(鶏ふん・米ぬか)を軽く混ぜ合わせる
4)穴を埋める
5)株元にも米ぬかをまいておく
米ぬかによって微生物の活動が活発になり、土壌の改良につながります。
深耕は梅雨時の排水、夏の水不足の防止にも役立ちます。深耕することで時として根を切断し、デコポンの生育に多少の悪影響を与えるかもしれませんが、家庭果樹はあまり大きくなってくれるのは考えものですし、隣に野菜などの他の作物を育てている場合には、断根によって隣の野菜が元気に育つということもあります。
施肥に関してですが、この時季の根の活動はあまり活発ではないので、春肥はうっかりしていると果樹の周りの雑草に、ほとんど吸い取られることがあるそうです。したがって、施肥に先立って除草をしておくことが大切です。それに地温も低いので、効率的な施肥は有機質深耕よりも化学肥料が適しています。特に土壌が乾燥している場合には、与えた肥料の吸収が悪いので、灌水が必要です。そうした点からみますと、春肥として液体肥料はとても効率的です。
甘くて美味しいデコポンが育ちますように。新芽、蕾の摘み取りに適した刃物をご紹介します。
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