ミニパプリカ・ミニキュウリ・イタリアントマトの育て方(イラスト解説)|5月に植えるプランター野菜
レモン・ブルーベリーの鉢植えでの育て方を教わった花坂ファミリー。今回からは花坂家のベランダキッチンガーデンの主役、夏野菜とエディブルフラワーの植え方や育て方を数回に分けて教わります。今回は可愛い夏の実もの野菜ミニパプリカ・ミニキュウリ・イタリアントマトの育て方。ガーデニング研究家・畑明宏(はたあきひろ)さんによるイラスト解説つきです。
▼前回の記事「レモン・ブルーベリーを鉢植えで育てよう|ビギナー目線でベランダガーデニング」
野菜・くだもの・エディブルフラワー(食べられるお花)・ハーブなどを彩りよく植えた、”見る”と“食べる”が楽しめるお庭のこと。この連載ではベランダで無理なくできるビギナー向けキッチンガーデンのアイディアをたくさん紹介していきます!
《目次》
夏野菜を育てる基礎知識
「今回は、夏野菜の育て方をお教えします。」
「夏野菜とは、夏期に収穫される野菜のこと。5月に栽培をスタートするものが多く、まさに今がはじめ時です!」
「まずは大まかに、夏野菜(実もの)を育てる基本の流れをお教えします。」
・夏野菜の「種」を購入する
・種を「蒔く」
・野菜の特性に合わせて「水やり」をする
・発芽し、本葉が伸びてきたら「間引き(まびき)」をする
・適切なタイミングで「肥料」をやる
・野菜を支える「支柱」を立てる
・収穫
・夏野菜の「苗」を購入する
・苗を適切なプランターに「植え付け」する
・野菜の特性に合わせて「水やり」をする
・適切なタイミングで「肥料」をやる
・野菜を支える「支柱」を立てる
・収穫
「種と苗は、どっちがいいんですか?」
「ビギナーさんには圧倒的に苗スタートがオススメですね。種からでも育てられますが、収穫まで苗よりも一ヶ月以上長くかかります。また、間引きなど作業工程も多いです。」
「なるほど~」
「花坂家のキッチンガーデンはイタリア料理に使える野菜を中心に育てるプランなので、ミニパプリカ、ミニキュウリ、イタリアントマトの3種をセレクトしました。」
「ミニパプリカやミニキュウリのような、お店であまり見かけない種類を育てられるのも自家栽培ならでは。イタリアントマトは加熱調理向きなので、形や味が少し上手くいかなくても美味しくいただけるのが良いところです。早速、それぞれの育て方をみていきましょう!」
ミニパプリカの育て方
(イラストはフルーツパプリカ セニョリータ)
🌿準備するもの
・ミニパプリカの苗
・プランター…深さ25~30㎝、20ℓ以上入るもの ※詳しくはこちら
・鉢底石
・園芸用土
・土に混ぜ込むタイプの肥料
・バーク堆肥
・仮支柱(30㎝・菜ばしくらいの長さでOK)
・支柱
・麻ひも
・園芸用具(グローブ・収穫用はさみなど)
🌿苗の選び方
茎が太く、節間(※1)が狭いイラストのような苗を選びましょう。
※1.節間(せっかん)…節と節のあいだのこと。
🌿苗の植え付け
20リットル以上入るプランターを準備し、イラストのように鉢底石を敷き詰めます。市販の園芸用土を入れ、「土に混ぜるタイプの肥料」を加えて元肥(※2)を施します。
※2.元肥(もとごえ)…土に植物を植え付ける前に混ぜ込む肥料のこと。
「土に混ぜるタイプの肥料」はホームセンター・園芸店・ネット通販等で販売されています。与え方は説明書きに従ってください。
苗を植え付ける前に、土にたっぷりと水をやりましょう。植え穴に水を入れて湿らせ、ポットの根を崩さないよう、苗を植え付けます。
苗を植え付けた後、地表面にバーク堆肥を敷き詰めます。仮支柱をイラストのように立て、たっぷりと水をやりましょう。プランターの下にレンガなどを置き、風通しをよくします。
🌿水のやり方
地表面が乾いたら、たっぷりと水をやりましょう。鉢底から流れるくらいが目安です。
🌱肥料のやり方
1週間に一度、液肥を与えましょう。
液肥もホームセンター・園芸店・ネット通販などで購入できます。最近は、有機栽培用の液体肥料もでてきましたよ。
🌿仕立て方
メインの茎以外に2本の脇芽(わきめ)を伸ばし、3本仕立てにします。イラストのように支柱を立て、茎と麻ひもで結びましょう。
「脇芽ってなんですか?」
「茎の葉の付け根から生えてくる小さな芽のこと。メインの茎1本に対し、20~30枚は出てくるんだ。その中から2本セレクトして、メインの茎と合わせて3本仕立てにするんだよ。」
🌿収穫
パプリカの色がついたら収穫時期です(緑の段階で収穫してもOK)。収穫するときは、茎の近くでカットし、後からヘタを落としましょう。ヘタを茎に残すとその部分だけ枯れてしまいます。込み入ったところを狙いやすい、先がしっかり切れるハサミを使いましょう。
パプリカをきれいに作るコツは、実に直射日光を当てないこと。実に直射日光が当たると表皮が焼けてしまいます。イラストのように、実の上の葉は切らずに残しておきましょう(実は葉の下にできます)。
ミニキュウリの育て方
(イラストはラリーノホワイト)
🌿準備するもの
・ミニキュウリの苗
・プランター(深さ25~30㎝) ※詳しくはこちら
・鉢底石
・園芸用土
・バーク堆肥
・仮支柱(30㎝・菜ばしくらいの長さでOK)
・支柱
・麻ひも
・園芸用具(グローブ・収穫用はさみなど)
🌿苗の植え付け
プランターに鉢底石を敷き詰め、園芸用土を入れます。苗を植え付ける前に、土にたっぷりと水をやりましょう。植え穴に水を入れて湿らせ、ポットの根を崩さないよう、入れてください。
草の根とプランターの土が密着するよう、イラストのように優しく手で押さえつけます。
イラストのように仮支柱を立てましょう。地表面に厚さ2~3㎝程、バーク堆肥を敷き詰めて下さい。
さらにミニキュウリが育ったら支柱を立てます。ミニキュウリにはイラストのような「あんどん支柱」(※3)がオススメです。
※3.あんどん支柱…3本の支柱に4~5個の輪っかが付いた支柱のこと。主にアサガオ栽培用に作られたもの。
🌿水のやり方
地表面が乾いたら、たっぷりと水をやりましょう。鉢底から流れるくらいが目安です。
🌿肥料のやり方
1週間に一度、液肥を与えましょう。
🌿収穫
花が完全に枯れて、取れかける状態になったら収穫のタイミングです。しっかり切れるハサミを使い、ヘタの上で切りましょう。
ミニキュウリは元気いっぱいです。最盛期には朝夕2回収穫できることもありますよ!
\さらに詳しくはこちらの記事で/
イタリアントマトの育て方
(イラストはボンリッシュとルンゴ)
🌿準備するもの
・トマトの苗
・プランター…深さ25~30㎝、25ℓ以上入るもの ※詳しくはこちら
・鉢底石
・園芸用土
・土に混ぜ込むタイプの肥料
・バーク堆肥
・有機石灰
・支柱
・麻ひも
・園芸用具(グローブ・収穫用はさみなど)
🌿苗の選び方
イラストのように、茎が太く節間が狭い苗を選びます。
🌿苗の植え付け
25リットル以上入るプランターを準備し、鉢底石を敷き詰めます。市販の園芸用土を入れ、「土に混ぜるタイプ」の肥料を加えて元肥を施しましょう。トマトはカルシウムが必要なので、 有機石灰を軽く一握り混ぜてください。
苗を植え付ける前に、土にたっぷりと水をやりましょう。植え穴に水を入れて湿らせ、ポットの根を崩さないよう、苗を植え付けます。
地表面にバーク堆肥を敷き詰めたら仮支柱を立て、たっぷりと水をやります。プランターの下にレンガなどを置き、風通しをよくしましょう。
🌿水やり
地表面が乾いたら、たっぷりと水をやりましょう。鉢底から流れるくらいが目安です。 収穫直前は、葉がしおれ気味になるまで水やりを控えましょう。水をやりすぎないことで強い株になり、濃厚なイタリアントマトが実ります。
🌿肥料のやり方
1週間に1回液肥を与えましょう。
🌿仕立て方
メインの茎以外の脇芽は全て取り除き、1本仕立てにします。支柱と茎は麻ひもで結びましょう。
🌿収穫
色づいて完熟したら収穫のタイミングです。収穫するときは、茎の近くでカットし、後からヘタを落としましょう。シャキッと切れるハサミを使ってください。
通常、お店で買えるトマトは完熟前に収穫したもの。完熟トマトを味わえるのは家庭菜園ならではです!
刃物ソムリエ・アルスケのオススメ道具
「こんにちは。刃物ソムリエの、アルスケです。」
「刃物ソムリエ?!」
「ガーデニング用刃物から工業機械用刃物まで、あなたにピッタリの刃物をご紹介します。早速、今回の作業にオススメの刃物をご紹介しましょう。」
「今回の作業で刃物を使うのは、①園芸用土などの袋を開けるとき、②支柱と茎を結ぶ麻ひもをカットするとき、③実を収穫するとき、ですね。」
《野菜の収穫から園芸用土の袋・麻ひものカットに。アルスのクラフトチョキ》
「今回オススメするクラフトチョキは、野菜の収穫、麻ひもやビニールひものカット、肥料袋のカットなど、キッチンガーデンで幅広く活躍します。刃先がシャキッと切れ、軽く、握りやすいのが特徴です。」
「私も使っていますよ! 刃先がしっかり切れるので、野菜の込み入ったところをカットするのにいいですね。麻ひもなども切れますし、1丁あるとガーデニングの作業にとても便利です。」
「へ~~!」
「ぜひ、使ってみてください。」
\ お求めは園芸店、ホームセンター、各インターネットショップなどで /
左からEG-330H-W(=FW-330H-W)、 FW-330H-P、 FW-330H-Y、 FW-330H-V、 FW-330H-G、 KG-330H-BK
全長 160mm/刃長 40mm/質量 50g
●高炭素刃物鋼 ●ハードクローム仕上げ ●ソフトグリップ ●刃カバー付
今回のおさらいと次回の予告
「さて、今回は、ミニパプリカ、ミニキュウリ、イタリアントマト、夏野菜3種の育て方をお届けしました。」
「早く苗がほしい…!」
「今がまさに夏野菜のはじめどき。園芸店やホームセンター、インターネットショップにはたくさんの夏野菜苗が揃っていますよ。ベランダでも問題なく育つので、ぜひやってみましょう!」
「はい!!」
「次回は、近頃人気の食用のお花、エディブルフラワーの育て方を、お届けします。お楽しみに。」
▷次回【食用のお花”エディブルフラワー”の育て方 】につづく
ここまでお読みいただきありがとうございます。
今回から、刃物ソムリエ・アルスケが登場です! 刃物には一家言あるアルスケが、ガーデニング作業にぴったりの刃物をご紹介していきますよ(アルスケについてはこちらの記事でくわしく紹介しています)。
\ リボベジすくすく成長中! /
GW前特別記事でご紹介した「リボベジ(再生野菜)」、スタッフ宅ですくすく生長中です。1日でかなり伸びるので、小さなお子さんも飽きずに楽しめそう。ご家庭でのファーストガーデニングにオススメです!
\ 詳しくはこちらの記事で /
それでは、次回をお楽しみに!
📢 公式Twitter & アルスケinstagramでキッチンガーデンの様子を更新中!
◎ガーデニングにおススメ|Gクラシックシリーズ
上品な深いグリーンの持ち手で統一された、ガーデニング向け《Gクラシック》シリーズ。ご家庭での園芸作業に便利な刃物が揃っています。お求めは全国のホームセンター・金物店・園芸用品店や各インターネットショップで。
▼アルス商品はこちらからもお求めいただけます
\ はたさんとアルスケのチョキチョキライフ /
大阪堺の刃物メーカー・アルスコーポレーションのマスコット、赤いワニの「アルスケ」と、ガーデニング研究家のはたさん(畑明宏さん)がお届けする『はたさんとアルスケのチョキチョキライフ』。2020年はとある住宅街のマンションに暮らす「花坂さん一家」がアルスケとはたさんとの出会いをきっかけに、ベランダで“キッチンガーデン”に取り組む様子を描きます。