ベランダでできる、バケツ稲の育て方|おうちで気軽に米づくり
初心者も気軽にできる、小鉢でのハーブの育て方を教わった花坂ファミリー。今回はなんと、ベランダでできる”バケツ稲”の育て方を教わります。収穫したお米で炊くごはんはもちろん、稲わらを使ったしめ縄づくりなど米作りの楽しみはさまざま。そんな稲の育て方のコツを、ガーデニング研究家・畑明宏(はたあきひろ)さんによるイラスト解説でお届けします。
▼前回の記事「初心者も気軽にできる、小鉢で育てるハーブ10選|育て方や収穫のコツ」
野菜・くだもの・エディブルフラワー(食べられるお花)・ハーブなどを彩りよく植えた、”見る”と“食べる”が楽しめるお庭のこと。この連載ではベランダで無理なくできるビギナー向けキッチンガーデンのアイディアをたくさん紹介していきます!
《目次》
1.バケツ稲とは?
3.バケツ稲の育て方
バケツ稲とは?
「今回は、”バケツ稲”の育て方をご紹介します。」
「”バケツ稲”とは読んで字のごとく、バケツに小さな田んぼをつくって稲を育てること。私たちの主食であるお米がどのように育つ様子を観察するのも楽しいですし、ご自宅で収穫したお米で炊くごはんは格別ですよ! また、乾燥させた稲わらは、最近流行りのオシャレな「しめ縄」づくりにも使えます。」
▼土壁と木の家に暮らしながら、家族5人分のお米と野菜をつくるはたさん。
「それでは、バケツ稲の育て方の流れを見ていきましょう。」
・稲を入手する
・バケツに苗を植え付ける
・「水やり」をする
・適切なタイミングで「肥料」をやる
・稲刈り前の水抜き作業をする
・稲刈り
「稲って、田んぼで育てなあかんのかと思ってました」
「たしかにお米づくりといったら広~い田んぼで田植えをしているイメージだね。でも実は、少しの稲ならバケツで簡単に育てられます。ちなみに収穫量は少なくなるけれど、2リットルのペットボトルでも育ちますよ!」
お米の苗を用意しよう
「まずは、バケツ稲に使うお米の苗を用意しましょう。」
「お米の苗って農家さんじゃなくても買えるんですか?」
「水田が周囲にある方は、農家さんから余った苗を譲っていただけるかもしれません。また、最近はネット通販などでも購入できますよ!」
JAさんなどでも、販売していることがあります。
「もしかして、もち米も育てられますか? 自家製のお米で餅つきしてみたい!」
「はい、普通のお米と同じように育てられますよ!」
バケツ稲の育て方
「それでは、バケツ稲の育て方をみていきましょう。」
🌱準備するもの
・お米の苗…9苗
・バケツ…10リットル入り
・園芸用土… 8リットル
ハンギング用などの軽い土は避け、出来るだけ重たい土を選んでください 。
・液肥(必要な場合のみ)
・園芸用具(グローブ・収穫用はさみなど)
🌱稲の好む環境
日当たり・風通しの良いところを好みます。日によく当たるところに置きましょう。
🌱稲の植え付け|7月上旬まで
10リットルのバケツに園芸用土8リットルを入れ、水を流し込みましょう。土から水深5cmほどにしてください。
上から見て正三角形になるように、3つの角にそれぞれ3苗まとめて植付けます。田植えをイメージして、根がしっかり土の中に入るよう植えましょう。
∇バケツを上から見た図
🌱稲の管理|8月中旬頃まで
常に水深5cmを保つように、水の管理をしましょう。
🌱肥料のやり方|7月下旬頃
3週間経っても葉が黄緑色なら、1000倍に薄めた液肥を100㏄入れます。葉色が緑色になるまで、1週間に1回与えます。
もし葉が緑色になら液肥はやらなくてもOKです。
🌱水の調整|8月中旬頃
8月中旬頃になると、幼穂(ようすい)ができて茎がふくらみ、しばらくすると穂が出ます。茎が膨らみ始めてから穂が出るまでの間は水深5cmくらいに保ち、穂が出た後は水深3cm程度に減らすようにしてください。水はコップなどで汲みましょう。
穂が出ると同時に花が咲き、受粉が行われます。その後、モミの中のでんぷんが固くなり、穂が重くなります。
稲穂が頭(こうべ)を垂れているのは、この重さのためなんですよ!
🌱収穫前の準備| 10月初旬 ※稲刈りの10日前
稲刈りの10日程前からは水抜き作業をして、土を乾かしておく必要があります。バケツの水を捨てて乾かし、稲刈りまでにカラカラの状態になっているようにしましょう。
🌱稲刈り|10月中旬頃
穂が出てから1カ月半ほどたち、黄金色になったらいよいよ稲刈りです。
稲は根元でザックリと刈り取ってください。稲刈りといえば鎌のイメージですが、一般家庭ではハサミで問題なく刈り取れますよ!
刈りとった稲は縛って風通しのよい場所で干しましょう。ベランダなら物干しを使ってもいいかもしれません。なお、スズメなどは稲をねらう敵ですので、食べられないように注意してください。心配な方はドライフラワーのように室内干しをするのがオススメですよ。
バケツ稲の楽しみ方
「収穫したお米の楽しみ方をご紹介します。」
🍚ごはんを炊いて食べる🥢
収穫したお米は炊いてごはんとしていただきましょう! 自家製のお米はどんな味がするか楽しみですね。収穫シーズンになったら、ご自宅にある道具でできる脱穀やもみすりの方法をお教えします。
お楽しみに!
🎍しめ縄づくりをする
乾燥させた稲わらを使って、しめ縄を作りましょう! 最近はプリザーブドフラワーやタッセルをあしらったオシャレな”モダンしめ縄”なども流行しています。ぜひ自家製の稲わらで、オリジナルのしめ縄を作ってみてください。
\ くわしい作り方はこちらの記事で /
刃物のソムリエ・アルスケのオススメ道具
「こんにちは。刃物ソムリエのアルスケです。ガーデニング用刃物から工業機械用刃物まで、あなたにピッタリの刃物をご紹介します。」
「こんにちは~!」
「バケツ稲の作業で刃物を使うのは、稲刈りと園芸用土の袋を開けるときですね。アルスケ、ぴったりのハサミを紹介してください!」
《稲刈り作業にオススメ・【Gクラシック】ファミリーデラックス》
「【Gクラシック】ファミリーデラックスは、刃が長く、稲刈りのような束ね切り、株分け作業に適しています。握力の弱い女性でもラクに切ることができ、切り口はスパッとなめらか。キレイにカットできますよ。」
《ガーデニング作業全般にオススメ・クラフトチョキ》
「クラフトチョキは、ビニール製品のカット、お花の茎のカットにとても向いています。刃先がシャキッと切れ、軽く、握りやすいのが特徴です。」
「ガーデニングのさまざまな場面で活躍するハサミなので、1丁あるととても便利ですよ! 」
\ お求めは園芸店、ホームセンター、各インターネットショップなどで /
全長 190mm/刃長 42mm/質量 135g
●高炭素刃物鋼 ●ハードクローム仕上げ ●安全ストッパー付 ●刃カバー付
左からEG-330H-W(=FW-330H-W)、 FW-330H-P、 FW-330H-Y、 FW-330H-V、 FW-330H-G、 KG-330H-BK
全長 160mm/刃長 40mm/質量 50g
●高炭素刃物鋼 ●ハードクローム仕上げ ●ソフトグリップ ●刃カバー付
今回のおさらいと次回の予告
「今回は、バケツ稲の育て方をお届けしました。」
「お米ができるの、楽しみやなあ」
「お米が育つ過程をじっくり観察できるのもおもしろそうだね!」
「自家製のお米で炊くごはん、おいしいやろな~」
「普段食べなれたものこそ、自分でつくるとおいしさも倍増ですよ! ぜひ自家製のお米を育てて収穫の楽しさをあじわいましょう!」
「はい!」
「次回はアロエの育て方をお届けします。お楽しみに。」
▷次回【アロエの育て方や収穫のコツ】につづく
ここまでお読みいただきありがとうございます。
小学生の頃、授業で米作りをしたのを思い出しました。田植えの前に田んぼに入って土をかき混ぜる「代かき(しろかき)」で泥だらけになった記憶があります。バケツ稲なら泥だらけになる心配はありませんね!
\ エディブルフラワー収穫しました!/
育てていたエディブルフラワーのナスタチウムとトレニアが咲いたので、収穫しました。
\ ごちそうさまでした!/
トレニアは豆腐ガトーショコラに、ナスタチウムは冷麺に乗せていただきました。トレニアは柔らかな歯触りで味はあまりなく(ガクの部分は取りました)、ナスタチウムの花はほんのり辛みがありました。
\ エディブルフラワーの育て方はこちらの記事で /
それでは、次回をお楽しみに!
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◎ガーデニングにおススメ|Gクラシックシリーズ
上品な深いグリーンの持ち手で統一された、ガーデニング向け《Gクラシック》シリーズ。ご家庭での園芸作業に便利な刃物が揃っています。お求めは全国のホームセンター・金物店・園芸用品店や各インターネットショップで。
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\ はたさんとアルスケのチョキチョキライフ /
大阪堺の刃物メーカー・アルスコーポレーションのマスコット、赤いワニの「アルスケ」と、ガーデニング研究家のはたさん(畑明宏さん)がお届けする『はたさんとアルスケのチョキチョキライフ』。2020年はとある住宅街のマンションに暮らす「花坂さん一家」がアルスケとはたさんとの出会いをきっかけに、ベランダで“キッチンガーデン”に取り組む様子を描きます。