庭木剪定のコツ【枝の見分け方・切り方】
自分で庭木を剪定するとき、どの枝を切ったらいいのか、どんな風に切ればいいのか迷ってしまいますよね。今回は庭木を剪定する前に知っておきたい「切るべき枝の見分け方」と「枝を剪定するコツ」を、樹木医・畑明宏(はたあきひろ)さんの解説でお届けします。
《目次》
1.庭木の剪定ついて
3.枝を剪定するコツ
前回は庭木剪定の基礎知識をお届けしました。今回は、具体的に切るべき枝の見分け方と、枝の切り方をお教えします!
基本パターンを知っておけば一般家庭の庭木剪定は難しくありません! 「だいたいこんな感じなんだ!」と参考にしてみてください。
はい!
よろしくお願いします!
庭木の剪定について
剪定(せんてい)とは余分な枝や葉を切り落として樹形を整えることを言います。日本庭園のように美しく仕上げるならプロの丁寧な剪定が必要ですが、一般家庭の庭木を見苦しくない程度に整えればよい場合は年に1度の剪定で充分。落葉樹なら11~2月の冬季に1回、常緑樹なら5下旬~6月の夏季に1回です。
もし「花を美しく咲かせたい」「良質な実を計画的に収穫したい」という場合は、木の特性や花期の違いによって剪定方法や時期が異なりますので、該当の樹木について調べて適切なタイミングで実施するのをお勧めします!
▼剪定時期の解説や「よくある質問」はこちらの記事で詳しくお届けしています!
切るべき枝の見分け方
切るべき枝は庭木の種類によって異なりますが、どの木においても共通して切るべき「忌み枝(いみえだ)」というものがあります。忌み枝を剪定せずに残しておくと、樹形が崩れたり花や実がつきにくくなってしまうので要注意です。
剪定をするときは、まず「忌み枝」を切り落として不要な枝を整理してから全体の樹形を整えると、大きな失敗をせずに済みますよ!
🌳「忌み枝」の種類
忌み枝には色々なタイプがあります。イラストのグレーになっている枝が忌み枝なので、剪定の際はこれらに似た枝から切り落としましょう。
数年手が入っていない庭木は忌み枝が多く、一度に剪定できないこともあります。一度にすべて切り落とす必要もないので、無理をせず数年かけて徐々に剪定してください。その際は上の方の枝から優先して整理していきましょう。
逆さ枝
本来伸びる方向とは逆の方向(幹方向)へ伸びている枝です。
からみ枝
主たる枝に、添う枝がからみつくように成長するものです。
平行枝
他の枝と平行に伸びている枝で、枝の込み具合を増します。
下り枝
下方に向かって伸びた枝です。
胴吹き枝・幹吹き枝
樹の幹から直接伸びた枝で、樹形を乱し、樹を衰弱させる原因にもなります 。
立ち枝
横に広がるべきところから、まっすぐに直立して伸びた枝です。
かんぬき枝
樹幹を挟んで左右対称に伸びた二本の枝です。
ふところ枝
樹幹に近い懐部分に出る枝で、通風や採光の妨げになります。
徒長枝(とちょうし)
勢いよく飛び出すように長くまっすぐに伸びた枝です。
車枝
一カ所から何本も出ている枝です。
ひこばえ
胴ぶき・幹ぶき同様、樹幹から直接伸びた枝で、樹形を乱し、樹を衰弱させる原因にもなります。
上記の他、「枯れ枝」は腐朽菌の進入口になりやすいので切除しましょう!
枝を剪定するコツ
📝剪定前の準備
剪定を始める前に、道具と庭の準備をしましょう。
剪定で最も重要なのは、よく切れる刃物を使用すること。木の高さや太さによって剪定バサミ・剪定ノコギリ・高枝切りハサミを準備しましょう。低木や踏み台を使っての作業なら剪定鋏や手鋸、高木の場合は高枝切りハサミや長柄ノコギリが必要です。
高枝切りハサミの中にはノコギリを取り付けられるものがありますよ!
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首振りチルト機構付きで刃部を左右に30度ずつ5段階に調節可能。好きな角度で剪定できるのでとても便利です。また、ノコギリも付属していて必要なときに取り付けられるので、太い枝の剪定も安心。採収タイプなら果物の実や枝をつかめますよ!
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また、刃物の他、作業用グローブや頭を守る帽子、目を守る安全メガネなどを準備してください。ほうき、大きめのチリ取り、ゴミ袋といったものも必要です。
剪定作業では想像以上に細かな葉っぱや枝が落ちてくるので、事前に剪定する木の下にブルーシート(レジャーシートでもOK)を敷いておくと掃除がしやすくなりますよ。
📝剪定ばさみで枝を切るコツ
イラストのように、切りたい枝を握って下向きに力を加えながら切ると、枝とハサミの摩擦が減って切断しやすくなります。
📝細めの枝を剪定するコツ
枝には外芽・内芽があります。内芽を残すと、枝は不自然な形に伸びてしまうので、外芽の上で剪定しましょう。
あまり芽に近い場所で剪定すると芽が傷んでしまいます。芽の上5~10mmく らいの位置にハサミを入れ、芽の方向にあわせて斜めに切ります。
剪定用のハサミは、切り刃側はすっきりと切り込まれるので樹皮に傷はつきませんが、受け側の樹皮は潰れて傷が残ることがあります。切り落とす枝の側に受け刃が来るように、刃の向きに注意して切断しましょう。
切り落とした枝をつかみたい場合は、採収部(=ツカミ)を切り落とす枝側に向けてください。
📝太い枝を剪定するコツ
太い枝の場合は、高枝ノコギリや高枝ハサミに装着できるオプションのノコギリを使用して切ります。上から切り落とそうとすると重みで途中から折れてしまうので、枝の根元から少し上の部分に、下から枝半分くらいの切り込みを入れます(①)。
その後、枝先寄りを切り落とし(②)、あらためて枝の付け根側を切り落とします(③)。剪定した後の切り口は癒合剤(トップジンMペーストなど)で保護すると安心です。
📝硬い樹木を剪定するコツ
カシ類、 ケヤキ、ムクなどははとても硬い樹木。これら硬い樹木を剪定するコツは、枝に対して少し斜めに切ることです。 枝に対して90度に切ろうとすると繊維にぶつかって切りにくいですが、イラストのように繊維に沿って少し斜めに切断し、そのあと尖ったところを切断すると上手にカットすることができます。
菌が入りにくくなるよう、 切り口はなるべく小さくしましょう!
今回のおさらいと次回の予告
今回は、庭木剪定のコツをお届けしました!
切るべき枝の見分け方や、剪定のコツがわかりました!
便利な高枝切りハサミを使って、ぜひご自分で剪定してみてくださいね!
次回は「果樹盆栽の育て方」をお届けします。お楽しみに!
▷次回【 果樹盆栽の育て方 】につづく
あっという間に2月ですね。何かと落ち着かない日々ですが、しっかり防寒対策をして、ガーデニングを楽しみましょう!
🐊アルスケの近況
ついに小カブが収穫できました! コロンとしていてかわいいですね。
Instagramにてアルスケのキッチンガーデンの様子をお届け中です! ぜひご覧ください。
それでは、次回をお楽しみに!
📢 公式Twitter & アルスケinstagramでキッチンガーデンの様子を更新中!
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\ はたさんとアルスケのチョキチョキライフ /
大阪堺の刃物メーカー・アルスコーポレーションのマスコット、赤いワニの「アルスケ」と、ガーデニング研究家のはたさん(畑明宏さん)がお届けする『はたさんとアルスケのチョキチョキライフ』。2020年はとある住宅街のマンションに暮らす「花坂さん一家」がアルスケとはたさんとの出会いをきっかけに、ベランダで“キッチンガーデン”に取り組む様子を描きます。