ベランダガーデニングの台風・暴風雨対策
ベランダガーデニングにおいて台風や暴風雨の対策は重要です。植物はもちろん、自宅や近隣に被害を出さないよう、台風シーズンがやってくる前にしっかりと対策をしましょう。ベランダに置いたまま植物を守る「台風ボックス」の活用法や、植物を屋内に避難させる際のコツなどを、ガーデニング研究家・畑明宏(はたあきひろ)さんによるイラスト解説でお伝えします。
▼前回の記事「アロエの育て方や収穫のコツ|鉢や土の準備いらずで気軽にスタート」
野菜・くだもの・エディブルフラワー(食べられるお花)・ハーブなどを彩りよく植えた、”見る”と“食べる”が楽しめるお庭のこと。この連載ではベランダで無理なくできるビギナー向けキッチンガーデンのアイディアをたくさん紹介していきます!
《目次》
台風・暴風雨で危険なこと
「梅雨が明けたらすぐに台風シーズンがきますね。はたさん、ベランダガーデニングでは何を気を付けたらいいですか?」
「はい、台風では雨風が強くなります。特にマンションの高層階のベランダでは強風に気を付ける必要があります。風でプランターや鉢が倒れれば植物に被害が出ますし、ひどい場合には窓ガラスに当たったり、近隣の住宅に被害を出してしまうことがあります。」
「そんなことになったら大変や…。絶対に対策せな!」
「今回は2パターンの対策を紹介します。」
「日本の台風シーズンは7~10月。特に最近は全国的に強い勢力で上陸することが増えています。しっかりと対策をして、台風シーズンを乗り切りましょう。」
①植物を室内に避難させる
それでは早速、台風や暴風雨の対策をご紹介します。まずは植物を室内に避難させる方法です。
台風や暴風雨の被害を防ぐための最も簡単な対策は、植物を室内に避難させること。一般的に台風が近づき強風や暴風域に入るのは、1日前後のことです。その強風暴風の間だけ、屋外のプランターや鉢を安全な場所に避難させましょう。
🌀 事前準備
植物を室内に入れる場合、台風や暴風雨の予報が出たら水やりを少なめにするのがコツ。プランターや鉢は水をたっぷり吸った状態だと重たくて動かすのが大変です。水を少なめにして、軽くしておきましょう。
🌀室内を土で汚さないコツ
プランターや鉢を室内に入れると、土が落ちたりして汚れるのが心配ですね。特に賃貸マンションでは注意が必要です。そこでオススメなのが、100円均一などでカンタンに手に入るビニール製のテーブルクロスやレジャーシートです。なるべく大判のものを選ぶとよいでしょう。
四隅を画像のようにテープやホッチキスで留めれば壁ができ、鉢底についた土などがシートからこぼれにくくなります。
②屋外に出したまま《台風ボックス》などで植物を守る
もう一つの対策は、プランターや鉢を屋外に出したまま植物を守る方法です。鉢やプランターは、風の影響を受けにくいベランダの隅に寄せてください。枝どうしがぶつかってもいいので、できるだけコンパクトにまとめるようにしましょう。また、小鉢や小ぶりなプランターはそのまま置いておくと危険なので、収納する木製の《台風ボックス》を用意して風の影響を受けにくくしましょう。
🌀大型のプランターや植木鉢の場合
大型のプランターや植木鉢をレンガや台に乗せている場合は、ベランダの床に下ろしてください。たっぷりと水をやり、土を重たくして動きにくくしましょう。
強風時には植物の葉から水分が奪われるので、たっぷり水やりをすれば乾燥防止にもなりますよ!
∇庭木の対策はこちらの記事へ
🌀《台風ボックス》で小鉢を守る
ハーブなどを小鉢でたくさん育てている場合、バラバラに置いておくのは危険です。台風ボックスを用意して数個の鉢をまとめ、飛ばされないようにしましょう。
ホームセンターや雑貨店、ネット通販では木製ボックスが販売されているので、そういった既製品を活用してもOKです。植物が完全に密閉されないように、スノコ状になっているものがオススメです。また、形や大きさにこだわりたい場合はぜひ手作りしてみましょう!
🌀《台風ボックス》の作り方
○準備するもの
木材、木ネジ、電動ドライバー(ドライバーでもOK)、ノコギリ
💡DIYにオススメ! 工作園芸鋸P-18
○組み立て手順
収納したい鉢のサイズに合わせて展開図のように板材・角材を準備してください。角材はコーナー部分、板は底板と側板になります。
角材や板材をご自宅でカットするのが難しい場合は、ホームセンターさんでカットしてくれますよ。
イラストのように、角材と板を木ネジで固定しましょう。底板から作っていくと上手に出来ます!
台風通過後、 台風ボックスはひっくり返してイラストのように飾り棚として利用できますよ。(※)
※小さなお子さんがいるご家庭の場合、お子さんが上ってしまいベランダの手すりを越えて転落する危険性があります。飾り棚としては使用せず、ボックス状態のまま道具入れなどにしてください。
台風後の注意事項は?
・ベランダの点検
排水口にゴミが溜まっている可能性があります。排水口を確認して、ごみがあれば取り除きましょう。
・室内に植物を入れた場合
台風通過後、水をたっぷりやってください。
刃物のソムリエ・アルスケのオススメ道具
「こんにちは。刃物ソムリエの、アルスケです。今回の作業にオススメの刃物をご紹介します。」
「今回の作業で刃物を使うのは、台風ボックスを作るとき、ですね。」
「ぜひお願いします!」
《工作にも園芸にも使える! 工作園芸鋸P-18》
「工作園芸鋸P-18は、工作用途に加え、生木も切れる園芸兼用タイプ。さまざまな用途に使用できてご家庭向きです。折り込み式なので使用後も安全に保管できますよ。経済的な替刃式です。」
「へえ、工作にも園芸にも使っていいんですね!」
「P-18はグリップ(持ち手)にゴムが巻かれていて滑りにくいので、使い慣れない方にも安心ですよ。工作においても園芸においてもノコギリは使うので、両用のものを1本持っていると便利です!」
\ お求めは園芸店、ホームセンター、各インターネットショップなどで /
全長 235(折込時)、407(使用時) mm/刃長 180mm/質量 162g
●高炭素刃物鋼 ●ハードクローム仕上げ ●衝撃焼入 ●アサリわけなし ●二重グリップ ●替刃式
今回のおさらいと次回の予告
「今回は、ベランダガーデニングにおける台風や暴風雨の対策についてお届けしました。」
「植物を育てている者の責任として、きちんと対策しないといけないですね!」
「何事もないのが一番やけど、自然が相手やからね…」
「台風、大きいの来ないとええなあ」
「ここ数年、大型台風や豪雨による甚大な被害の発生が続いています。事前に可能な限り対策をして、何事もないよう祈りましょう!」
「次回は、夏野菜の切り戻しと収穫後の土の再生についてをお届けします。お楽しみに。」
▷次回【夏野菜の切り戻しと収穫後の土の再生】につづく
ここまでお読みいただきありがとうございます。
長い梅雨がようやく明けようとしていますね。ますます暑くなってきますから、体調管理に気を付けましょう。特に炎天下でのガーデニングは危険なので、水分補給や休憩をしっかりとり、無理のないようにしてくださいね。
\ ミニパプリカ、ついに収穫!/
育てていたミニパプリカ(フルーツパプリカ セニョリータ)、ついに収穫できました。小ぶりでとっても可愛いですね!
\ お弁当にピッタリ! /
丸ごとお弁当に! 可愛くておいしい、ミニパプリカです。
∇ミニパプリカの育て方はこちらの記事で
それでは、次回をお楽しみに!
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◎ガーデニングにおススメ|Gクラシックシリーズ
上品な深いグリーンの持ち手で統一された、ガーデニング向け《Gクラシック》シリーズ。ご家庭での園芸作業に便利な刃物が揃っています。お求めは全国のホームセンター・金物店・園芸用品店や各インターネットショップで。
▼アルス商品はこちらからもお求めいただけます
\ はたさんとアルスケのチョキチョキライフ /
大阪堺の刃物メーカー・アルスコーポレーションのマスコット、赤いワニの「アルスケ」と、ガーデニング研究家のはたさん(畑明宏さん)がお届けする『はたさんとアルスケのチョキチョキライフ』。2020年はとある住宅街のマンションに暮らす「花坂さん一家」がアルスケとはたさんとの出会いをきっかけに、ベランダで“キッチンガーデン”に取り組む様子を描きます。