冬のハーブの育て方|ハーブの冬越し
ハーブとして利用される植物の中には冬を越して次の年も楽しめるものがあります。今回は冬越しできるハーブの種類や冬越しさせるコツを、ガーデニング研究家・畑明宏(はたあきひろ)さんによる写真解説でお届けします。
▼前回の記事「冬のエディブルフラワーの育て方 ビオラ&パンジー・ノースポールを育てよう 」
野菜・くだもの・エディブルフラワー(食べられる花)・ハーブなどを彩りよく植えた、”見る”と“食べる”が楽しめるお庭のこと。この連載ではベランダで無理なくできるビギナー向けキッチンガーデンのアイディアをたくさん紹介していきます!
《目次》
今回は、ハーブの冬越し(ふゆごし)についてお届けします!
多くのハーブが冬を越して翌年も育てることができます。ぜひ、冬越しさせましょう!
次の年も育てられるんや。うれしい!
ハーブの「冬越し」とは
🍁冬越し(ふゆごし)とは?
「冬越し(ふゆごし)」とは、生き物が気温の低下する冬の時期を乗り越えること。クマの冬眠などが有名ですね。もしかすると「越冬(えっとう)」という言葉の方がなじみ深いかもしれません。植物では落葉樹が葉を落とすこと、草花が地上に出ている葉の部分を枯らして根だけを生かすことなどが冬越しに当たります。
冬場は枯れているように見える植物が、春になったら元気に生い茂っていることがありますよね!
🍁どんなハーブも冬越しできるの?
全てという訳ではありません。植物には一年で終わってしまう「一年草」と、数年に渡って育てることができる「多年草(宿根草/しゅっこんそう)」がありますが、冬越しできるのは多年草(宿根草)や寒さに強い秋植えの一年草です。ハーブとして利用される植物は丈夫なものが多く、冬を越して次の年も楽しめるものが沢山ありますよ。
▼ 初心者に育てやすいハーブの記事はこちら!
冬越しできるハーブ・できないハーブ
🍁冬越しできるハーブの調べ方
冬越しできるかは、その植物の耐寒性(どのくらい寒さに強いか)によって決まります。耐寒性は購入時のタグやインターネットで簡単に調べることができます。
よく栽培されるハーブの耐寒性は下記の表をご覧ください。〇は冬越しOK、△は根だけが冬越しするものや事前に地上部をカットするなどの対策が必要なもの、×は冬越しできないものです。
〇 | イタリアンパセリ/タイム/チェリーセージ/パセリ/フェンネル/ラベンダー(種類による)/レモンバーム/ローズマリー/ローリエ/ワイルドストロベリー |
△ | セルバチコ/チャービル/チャイブ/ボリジ/ミント/ルッコラ/ルバーブ/レモングラス |
✖ | カモミール/シソ/ナスタチウム/パクチー/バジル |
※お住いの地域や環境によって異なります。あくまで目安としてご参照ください。
🍁冬越しできるハーブ
耐寒性のあるハーブとして有名なのはローズマリー、タイム、ミント、ラベンダーなど。一方、耐寒性がなく寒さに弱いものとしては、レモングラスがあります。ローズマリーなどは普段通りのお手入れ、レモングラスはひと手間を加えることで冬越しさせることができます。
⛄冬越しできないハーブ
人気のあるハーブのバジルは寒さに弱いので、残念ながら冬越し出来ません(冬越しする品種のバジルもありますが一般的ではありません)。春になったら苗が販売されるので、新しく育て直すようにしましょう。
ハーブの冬越しのコツ
🍁耐寒性のあるハーブの冬越し
ローズマリー、タイム、ラベンダーといった耐寒性のあるハーブは特別なことをせず、普段通りのお手入れで問題ありません。しかし、寒い時期に強剪定(※)すると株が弱ってしまうので切り過ぎないよう気を付けましょう。ミントは霜に当たると弱るので、地上部(葉っぱ)を切ってしまいましょう。春になったら地上部から新葉が出てくるので心配いりません。
※強剪定・・・思い切ってたくさん切ってしまうこと。
鉢植えで育てている場合は地植えより土が冷えやすいので、日当たりの良い軒下など霜に当たらない場所に置きましょう。さらに冬場も土を乾かさないように、1週間に1回程度、暖かい午前10時頃にたっぷり水やりします。冬の間も根は生きているので乾燥すると枯れてしまいます。
夕方に水やりをすると、土が冷えすぎて植物が弱ってしまいます!
🍁耐寒性のないハーブの冬越し
耐寒性のないレモングラスは、以下の手順でお手入れをして冬越しさせましょう。
✍地上部をハサミでカット
晩秋、寒くなり始めたら、写真のように地上部をハサミで切ってください。
レモングラスのカットには花はさみフランバンがオススメです!
収穫したレモングラスは「レモングラスティー」にして楽しめますよ! 作り方は記事後半で。
✍バーク堆肥を被せて保温する
地上部を切った後は、切り株が隠れるまでバーク堆肥を被せて保温します。バーク堆肥の厚さは5cm以上にしましょう。
💡どうしてバーク堆肥がいいの?
例えば、保温のために土で埋めてしまうと通気性が悪いため植物は息苦しくなってしまいます。その点、バーク堆肥は保温性と通気性に優れているのでオススメです。
✍春(4月)までは室内で管理する ※鉢植えの場合
鉢植えの場合は、地上部を切った後に、鉢を玄関内(室内)に入れて春まで管理します。日光に当てる必要はありませんが、土が乾かないようにしてください。4月以降は屋外に出して直射日光を当ててください。
冬越し準備で摘んだハーブでハーブティーを楽しもう
冬越しのために摘んだレモングラスで、ハーブティーを楽しみましょう!
🌿フレッシュレモングラスティー
✍作り方
①レモングラスを地際から2本収穫し、洗います。
②2本を料理ハサミで長さ2センチにカットします。
③鍋に水を入れ、沸騰したら火から下ろします。
④ティーポットに②を入れ、蓋をして2分程蒸らします。
⑤カップに注ぎ、完成です。
レモングラスは葉よりも茎に香りがあるので、茎を大切にしましょう!
刃物のソムリエ・アルスケのオススメ道具
「こんにちは。刃物ソムリエのアルスケです! 今回の作業にオススメの刃物をご紹介します。」
《レモングラスの収穫作業にオススメ・花はさみフランバン》
フランバンは、生花やフラワーアレンジメント、園芸のために開発されたハサミ。通常版のレッドとおしゃれな《Gクラシック》のグリーンがあります(グリーンのみ刃カバー付き)。
大きなグリップに指をしっかりと入れられ、また打ち合い部にクッションゴムがついているのでカットした時の衝撃を吸収してくれます。刃は高級ステンレス鋼で水に強くさびにくいので、しっかり洗っても安心ですよ。
\ お求めは園芸店、ホームセンター、各インターネットショップなどで /
全長 180mm/刃長 58mm/質量 110g
●高級ステンレス鋼 ●クッションゴム ●ソフトグリップ ●刃カバー付 ※GC-FL-18のみ
《お料理にオススメ・料理人鋏シェフスター》
料理人鋏シェフスターは洗った後のレモングラスのカットにピッタリです。料理ハサミのいいところはなんと言ってもまな板要らずなところ。レモングラスを収穫したらサッと洗ってすぐカットできますよ。使用後は分解して洗えるので、衛生面でも安心です。
\ お求めはホームセンター、各インターネットショップなどで /
全長 200mm/刃長 65mm/質量 100g
●ステンレス鋼 ●ソフトグリップ ●ダイヤルナット ●分解式
今回のおさらいと次回の予告
今回は、ハーブの冬越しについてお届けしました。
せっかく育てたハーブ、冬越しできるものは是非続けて翌年も育ててみましょう!
長く楽しめてうれしいですね!
次回はしめ縄の作り方&2020年まとめの記事をお届けします。お楽しみに!
▷次回【 初心者向け!ベランダガーデニングの基礎知識と一年の計画例 】につづく
ここまでお読みいただきありがとうございます。
🐊アルスケの近況
アルスケの植えた小カブ、どんどん大きくま~るくなってきました。収穫がとっても楽しみです!
Instagramにてアルスケのキッチンガーデンの様子をお届け中です。ぜひご覧ください。
それでは、次回をお楽しみに!
📢 公式Twitter & アルスケinstagramでキッチンガーデンの様子を更新中!
◎ガーデニングにおススメ|Gクラシックシリーズ
上品な深いグリーンの持ち手で統一された、ガーデニング向け《Gクラシック》シリーズ。ご家庭での園芸作業に便利な刃物が揃っています。お求めは全国のホームセンター・金物店・園芸用品店や各インターネットショップで。
▼アルス商品はこちらからもお求めいただけます
\ はたさんとアルスケのチョキチョキライフ /
大阪堺の刃物メーカー・アルスコーポレーションのマスコット、赤いワニの「アルスケ」と、ガーデニング研究家のはたさん(畑明宏さん)がお届けする『はたさんとアルスケのチョキチョキライフ』。2020年はとある住宅街のマンションに暮らす「花坂さん一家」がアルスケとはたさんとの出会いをきっかけに、ベランダで“キッチンガーデン”に取り組む様子を描きます。